2017年11月30日木曜日

捨てることの意味

今日で11月も終わり、明日からいよいよ最後の月を迎えることになりました。このところ多用だったので、整理整頓が出来ていませんでした。年末が来ると何故かいらないものを捨てたくなります。この二日ほどでエアコン室外機2台分、古い掃除機、32インチの液晶テレビ、古い薬多数、犬小屋、ラジカセ等を捨てました。家の中を見渡すとモノで溢れかえっています。お金さえ出せばほとんど何でも買える時代ですからつい買ってしまうのです。

仏教では欲しい欲しいと思う心が生まれたら、なくても平気と思ってごらんと言います。なくても平気と思うと不思議なもので、欲しくなくなります。欲しいと思っている時は、これはなくてはならないものと思いますが、冷静に考えると今までなくても困らなかったのだから、これからもなくても構わないと思えて来ます。結局ほとんどのものがそうなのです。
有り余るものが家の中を占領しているので、少し空間を作ろうと思います。今までは迷ったら残すでしたが、これからは迷ったら捨てるにしようと思います。捨てることでモノの大切さがわかるような気がします。これからは努めてモノを少なくしたいです。

2017年11月29日水曜日

日馬富士の引退

世間を騒がし続けた相撲界の暴力事件ですが、相撲協会の裁定ではなく、本人の意思として引退となりました。政治でもよく使われる出処進退は、自分で決めるべきという原則によるものでしょうか。この後相撲協会が処分を決めることはあるのでしょうか。

私がサラリーマン時代、よく知っている金融機関では従業員による使い込みは珍しくありませんでした。ほとんどの場合処分ではなく、自己都合退職にして退職金を払いその中から弁済をするというものでした。しかし、世の中がだんだん厳しくなり、そもそも退職金を支払うこと自体問題があるということになり、遡って当時退職金を支払った役員が金融機関に対して、弁済するというようなことがありました。自己都合退職ではなく、退職金の出ない懲戒免職にすべき事例であったということで、遡って過去の処理をやりなおしたということになります。
この事件がこれからどんな展開を見せるかわかりませんが、引退したので一段落とはならないと思います。事件の背景には様々な人間ドラマがあるようです。相撲取りと言えども同じ人間です。100人いれば100通りの考え方があります。土俵の外も勝負の世界だと思います。ただしこれは一対一の勝負ではなく、誰が多数を得るかという多数決の原理の下での勝負です。どうすれば大相撲が発展するか、相撲取りやファンが幸せになれるかを考えてもらいたいものです。

2017年11月28日火曜日

人生は出会いと別れ

一人暮らしですが85歳過ぎてなお元気で、写経の手本より立派な文字を書かれる男性がおられます。当山で写経されるなど地域の活動にも積極的ですが、高齢になると家事や炊事が面倒になります。お嬢さんが心配されて来年にはグループホームのようなところへ引っ越されることになりました。我が家の犬にも毎日のように会いに来てくださいます。会えなくなるのは寂しいですね。

2か月ほど前に相談に来られた女性がお見えになりました。生まれは東京で、ずっとご両親と暮らしておられましたが、ご縁があり鳥取に嫁いで来られました。一人っ子ですのでご両親のことが心配です。現在はご両親もお近くのようです。将来のことも考えて安穏堂を予約されました。

ご両親を嫁ぎ先のお墓にというわけには行きませんし、かといって今更お墓を建てるという気持ちもありません。そうなると必然的に納骨堂か共同の永代供養墓、あるいは樹木葬などが選択肢として思い浮かびます。納骨堂もいろいろあり、一人納骨するたびに費用が必要となるものもあります。考え抜いて当山を選ばれたようです。

相談される方の中には、自分だけが入るお墓や納骨堂を探しておられる方もあります。そして費用も抑えたいと思われているようです。当山も来年春には、お一人様で利用できる樹木葬を完成させたいと準備中です。

2017年11月27日月曜日

過去帖の役割

浄土真宗では位牌を用いず過去帳を仏壇に納めます。それぞれ歴史がありますので、どれも正しいと思います。過去帖の良いところは、一冊あればご先祖をすべて見ることができるという点です。位牌が一本三万円以上するのに対し一冊で二千円ほどで済むので、経済的にも優しい仕組みです。永く続いているお家ですと仏壇に入り切らないほど位牌が並ぶこともありますが、過去帖は場所を取りません。
他宗から変わっていらっしゃった方の過去帖を作っています。享年が書いてないものや、俗名が書いてな無いものもありますので、調べるのが大変ですが、最低限亡くなられた日にちが残っていますので、それを手掛かりに戸籍を調べます。ただ江戸時代のものは手掛かりがないので不完全な記録となります。
本来は、家に残す過去帖はお寺にある過去帖から当家のものだけを抜き出したものです。ですからお寺にある過去帖と同じものです。ところがお寺の過去帖が火事で残っていなかったり、家人が勝手に書いた過去帖であったりすると、信憑性に問題が残ります。
いま作業の最中ですが、過去帖だけでも当家の歴史が伝わってきます。記録を残すことは大切なことだと実感しています。
 

2017年11月26日日曜日

ポケモン騒ぎあれこれ



砂丘イベントして行われたポケモンgo鳥取砂丘が終わりました。この3日間で感じたことを書いておきます。鳥取は全国規模の大会があったりするとすぐに宿泊が足りなくなり、吉岡温泉や岩井温泉、羽合温泉まで手を広げて宿泊を確保します。それでも二千人くらいが限界で、今回のように数万人が押し寄せることになるとお手上げ状態になります。

鳥取県の読みは三日間で一万人程度だったようですが、実際は五万人に近いのではないでしょうか。五倍も読み違えると大変なことになります。

私は初日にタクシーを呼ぶことがあったのですが、一番空いているタクシー会社で1時間待ちでした。急ぐことだったので諦めました。お寺のあるこの狭い職人町でさえ人がうろうろでした。10人以上が徒党を組んでうろつくことはありませんので、異様な風景でした。

今日法要に広島から来られましたが、列車もすごい込み具合だったようです。座席が隣であった男の子は熊本からポケモンのために来たそうです。日帰りだそうですが、驚きです。また列車には中国人もいたそうです。座る席がなく床に直接座っていたそうですが、ポケモンは今でも世界的な現象です。

ポケモンブームは終わったと思っていたのですが、そうではありませんでした。今のところ事故や大きなトラブルは聞いていませんのでホッとしていますが、ながらスマホは危険です。安全を確認して立ち止まって操作するようにしましょうね。
 

2017年11月25日土曜日

護持会運営委員会を開きました

今年度3回目の運営委員会でした。今回の議題は二つです。一つは養源寺樹木葬の展開について、二つ目は新しく門徒になられた方のための研修会の開催についてです。養源寺には、納骨できる場所として墓・納骨壇・地階祖壇の三つがありますが、最近の傾向として樹木葬や合同墓の要望があります。養源寺には樹木葬や合同墓がありませんので、そういう要望に応えるため、お墓形式の樹木葬を考案して見ました。

構想としては一年半になりますが、今までなかなか形になりませんでした。ところが三か月ほど前に新たな考えがひらめき、イメージ図を作りそれを石屋さんに頼んで設計していただき、墓碑の見本も作っていただいてここまでたどり着きました。

この構想に関しては運営委員の皆さんも好感度でしたので、明日から具体化を進めて行きます。すべてが頭の中の発想でしたので、すでにあるもののマネではありません。成功するか失敗するかはわかりませんが、失敗しても致命傷にはなりません。またこれで明日から頑張れる目標が出来ました。ありがたいことです。

2017年11月24日金曜日

男性中心社会の教育


 

伊藤詩織さんのレイプ被害については、以前に少し書きましたが、何故レイプ被害者は泣き寝入りするのかという実態を考えた場合に、日本は男社会であるということが大きく関係していると思います。そのもとを考えて見るのに、この女性寶鑑は有用だと思います。

この本には女性の結婚適齢期は21歳から23歳と書かれていますが、他方で戸主の承認を経ずに結婚できるのは25歳以上という法律上の規定があると書かれています。25歳以上になれば自由結婚が認められると書いてあります。しかしこれは媒酌結婚に反抗する新しい思想であり、恋愛は喜ぶべき結果をもたらすとは限らないと批判的に書かれています。

また、男性の誘惑に関しては、誘惑されやすい第一条件として、心にスキがあることは言うまでもありませんが、それよりもその挙動や服装が最も重要であるのが当然だと書かれています。その人の髪の結い方や着物の選び方やあるいは歩き方などによって、その人に心の用意があるかないかが一見してわかるものだとも書かれています。
この書き方だと誘惑する方に問題があるのではなく、誘惑される方に心のスキがあるからだという理屈になります。そのほかにも、男子優位の考え方があちこちに散らばっています。私は少なくとも、こういう教育を受けた女性に育てられました。本当の意味で男女共同参画になるのは、団塊の世代が死に絶えなくてはならないかも知れませんね。

2017年11月23日木曜日

女性寶鑑を読む

押入れを掃除していたら「女性寶鑑」という本が出て来ました。昭和13年版ですから、母が16歳くらいの時に使っていたものです。これを見ると戦前どのような教育がされていたかが手に取るようにわかります。おそらく当時の日本人女性が花嫁修業の本としてすべて持たされていたのではないでしょうか。

著者は前波仲子という方ですが、調べて見ますとどうも男性のようです。次のように紹介されています。明治文化の熟る頃生れ、鹿兒島中學・三高中退の上、東京商科大學を卒ゆ。銀座松屋宣傳課長・婦人世界主筆を經て、目下は經濟・女性の著述と講演。全國に足跡いたらざる無し。

全部で830ページにも及ぶ本で、大項目だけ見ても多岐にわたっているのがわかります。第一編新時代の社交、第二編清らかな処女時代、第三編結婚準備の花嫁学問、第四編新時代の夫婦学、第五編今日の妊娠と安産、第六編新しい育児、第七編家庭生活の合理化、第八編滋養・味覚に富む料理、第九編新時代衣服裁縫編物、第十篇手軽に出来る衣服整理の秘訣、第十一編住みよい住宅・便利な台所、第十二編近代色美容、第十三編新版家政学、第十四編小児病一切の手当・予防秘訣、第十五編現代職業婦人万華鏡、第十六編近代女性の趣味、第十七編非常時と婦人の活動、付録家庭便利寶典
これを見ると読んでみたくなるでしょう。明日は少しだけ紹介します。

2017年11月22日水曜日

僧侶もライフプランナーに

午後から二人の女性が相談に見えました。一人は付き添いのお友達です。最終的には自分のお墓をどうするかという問題でした。そこに行きつくまでに、いろいろなお話しをしたのですが、相続の問題については、うろ覚えのところがあり、あらためて勉強しました。相続順位があることは知っていましたが、配偶者には順位がなく、どのような場合でも相続出来ます。法定相続人の相続順位は第一位が子供です。第二位が親です。そして第三位が兄弟です。例えば夫が亡くなった場合で、子供がいない場合は、妻が全部もらえるか?という場合ですが、相続順位一位がない場合には、第二位に移ります。第二位がいない場合は、第三位に移ります。従って亡くなった方に兄弟姉妹がいる場合は、1/4は兄弟姉妹でもらう権利があります。配偶者は75%もらうことになります。
配偶者の配分率は、第一順位と分ける場合は1/2、第二順位と分ける場合は2/3、第三順と分ける場合は3/4となります。もらうべき子供が死亡している場合は代襲相続と言って孫に権利が移りますし、もらうべき兄弟姉妹がいない場合は、甥姪に権利が移ります。
法定相続の場合はここまでで終わりますが、遺言がある場合は遺留分の問題が出て来ます。ただし兄弟姉妹には遺留分はありません。
お寺で相談を受けますと、税や相続にまで話しが及ぶことがあります。僧侶も税や相続に関してはしっかり勉強しておく必要があることがわかりました。


2017年11月21日火曜日

60歳までに亡くなる確率

お悔み欄を見ていると、長生きだなーと思える人がいる反面、60代までに亡くなる方があるのが気になります。私は昭和24年生まれの団塊の世代です。来年には高校卒業50周年記念の同窓会を行いますが、実は古希の同窓会なんです。みんなが古希という言葉を嫌って、50周年になりました。
60歳の時にアラ還同窓会を行いましたが、わがクラスは50人のうち物故者が5人もいました。全部男性です。確率で言うと10%にもなるので、こんなに亡くなるものかと恐怖を感じました。今年の集計では6人になっていました。この9年間で一人亡くなったことになります。
全クラスで見るとせいぜい一人か二人で、多くても三人でしたので、五人は多すぎると思いました。気になったので60歳までに亡くなる確率がどれくらいのものか調べて見ました。
Yahoo知恵袋で調べてみた結果、60歳までに亡くなる確率は、3.4%でした。やはり10%というのは高すぎました。3.4%というのはビッグデータの平均値ですので、3倍程度の変動はあります。10%は上限に位置するものです。
 

将来の不安に備える

犬や猫をはじめ他の動物は将来を考えるということをしません。人間だけが明日のことを考えたり、将来のことを考えて不安になります。将来どうなるかということは、誰も予想出来ませんが、過去の経験やビッグデータを使って客観的な数値を予測することは出来ます。ただし自分のことになると客観的データはあてになりません。自分がこれからどうなるのかということは、いくらデータを積み重ねても納得できるものではありません。そういうところから、お寺へ足が向くようになる方もおられます。
今日お見えになったご門徒さんは、近年ご主人を亡くされ、二人のお嬢さんも嫁いでおられるということで、将来的に墓地をお寺に返したいという相談でした。子供たちが元気な間はお墓参りをしてくれると思うので、その後に安穏堂ですべてのお骨を管理して欲しいというものでした。安穏堂の利用は今からでも予約しておきたいということでした。
ご主人を亡くされ、子供は娘二人でいずれも他家に嫁いでいるという状況で、将来のことを考えると墓をどうするかという不安が出てきます。自分が元気な間は大丈夫と思っても、自分の命だから自分でコントロールできるというものでもありません。その不安を解消するため訪ねて来られたものでした。墓についてはこれで一安心ですが、話しを聞いてみると自分が亡き後、今の住宅をどうするか、他人に売るのか、リフォームして親族が住むのか、仏壇をどうするか、自分の葬儀はどうするかなど不安なことがたくさん出てきました。
これらについては、娘さんと相談しながら、今出来ることをひとつづつ解決していくしかないようですね。
 

2017年11月19日日曜日

ひもおとしのお勤め

長女の末っ子の「ひもおとし」の法要を勤めました。一般的には七五三ですが、山陰地方では「ひもおとし」としてお祝いします。七五三が女の子は三歳と七歳の時に、男の子は五歳の時にお祝いをするのに対し、「ひもおとし」は男女ともに満三歳でお祝いします。「ひもおとし」は漢字で書くと「紐落とし」となり、幼い頃は着物を体に固定するための腰紐のようなものを腰のあたりに縫い付けて、それを結んでいました。三歳くらいになると帯を結べるようになるため、それだけ成長したことを祝って行う行事です。神社にお参りすることが多いのですが、お寺でも出来ます。お寺でおこなうお祝いの行事として、生まれて初めてお寺にお参りするときにおこなう初参式、結婚式、成人式などがありますが、感謝の気持ちを仏さまやご先祖様に報告する行事ですから、入学・卒業・就職・還暦・古希など人生の節目にお参りされればいいと思いますよ。


2017年11月18日土曜日

護持会日帰り研修旅行

養源寺護持会は、念仏奉仕団や伝灯奉告法要への参加など、毎年一泊二日の旅行を続けていましたが、泊があると参加できない方もあり、今回は日帰りの研修旅行を実施しました。日帰りでなおかつ研修の要素を入れるとなると、選択肢が少なくなります。浄土真宗の教えは基本的に法然上人の教えと同じです。その法然上人が出生された岡山の地に浄土宗誕生寺があります。岡山県北部の久米南町というところにありますので、鳥取から約2時間で行けます。
今回は誕生寺のご住職のお話しを聞き、仏の前には万人は平等であるという法然上人の教えを確認することが出来ました。境内には本堂、阿弥陀堂、御影堂(みえいどう)など多くの建物がありますし、鎌倉大仏の小型版である阿弥陀如来坐像など銅像などもいくつか見えました。もう少し時間があれば単独で散策して見たいものです。
昼食は岡山プラザホテルで取りましたが、ここはライオンズクラブで何度か使ったことがあります。ここから10キロほどの距離ですが、市内の真ん中を通るため30分かかってRSKバラ園に到着しました。最盛期は過ぎている感じですが、バラにはこんなにたくさんの種類があるのかと思うほど、色とりどりでした。案内して下さる方も親切で、バラの切り花があたるガラポンをさせていただきました。10人くらいは当たったのではないでしょうか。それから予定にはなかったのですが、奈義町の山の駅の奥にある菩提寺大イチョウがライトアップされているというので、見に行って来ました。わずか1週間のライトアップの中で見る大イチョウは圧巻でした。





 
 

2017年11月17日金曜日

誕生日

フェイスブックでたくさんのおめでとうをいただきました。今日で68歳になりました。もう誕生日がうれしい年齢ではなくなりましたが、おめでとうと言われるとやっぱりうれしいです。

ただ、誕生日の誕という文字には、いい意味はありません。簡単にいうと「あざむく」「いつわる」「大うそをつく」ということです。人が生まれるのに、なぜこの文字を使ったかということですが、私は次のように理解しています。人が生きていくということは、他人を欺いたり、自分を偽ったり、嘘をつきながら生きてゆくということではないでしょうか。仏教ではこれを妄語といって、戒めの代表的なものです。

自分の人生を振り返っても、「あざむく」「いつわる」「大うそをつく」の繰り返しでした。

年を取ってからは飾ってもしょうがないことがわかって、少しは減りましたが、飽くまでも少しです。人というのは生きている限り、嘘をつき続けているのでしょうか。政治家の言うことにしても、相撲取りの言うことにしても嘘が混じっていることは見え見えです。悲しむべきことか、これが普通の姿なのかもう少し考えて見る必要がありそうです。
 

2017年11月16日木曜日

死にたいという相談

お坊さんが答えるhasunohaには、死にたいという相談が時々あります。過去に遡ると同じような相談もあり、過去の回答を見て欲しいと思うこともありますが、背景は人それぞれに違うのでどの相談にも真摯に対応する必要があります。
死にたいという気持ちに関わらず、人間の気持ちというのは絶えずゆれ動いています。あちらがいいかこちらがいいか迷うことはしょっちゅうで、はじめから最後まで同じ気持ちということはありません。少しの言葉で救われたり、より深く傷ついたりすることもあります。死にたいと云ってSNSに投稿する人も迷っていることには変わりありません。
死にたいという相談の背景には、死ぬほどつらいことがあるということですから、まずそれを聞いてあげることが大切です。修羅場をくぐった経験豊富な方が相談者であれば、その言葉で気が変わることもあると思います。
hasunohaの相談を見ると、死にたいというような緊急を要する事案には素早く多くの僧侶が回答しておられます。質問者の方がびっくりされるくらい回答数が多いのです。それで自分は一人ではないと思い生きる勇気を持った方もおられます。
死ぬほどつらい経験を乗り越えることで、同じような環境にある人を救うことが出来るかも知れません。人間に生まれる確率は、奇跡と言っていいくらいの確率です。学者によると三億円の宝くじが100万回連続で当たるくらいの確率だそうです。もう一度奇跡を信じて生きて見ましょう。
 

2017年11月15日水曜日

お寺のご縁物

「お寺に粗品があるの!」とびっくりされるかも知れませんが、養源寺にはお参りの方にお渡しする「ご縁物」があります。お参りされた方全員に必ずお渡しするということではありませんが、そうでなくとも例えば伝道用の冊子をお渡しするなど、どこかで縁を持って欲しいと思って何かをお渡ししています。
今あるご縁物は、線香、ファイバークロス、文庫本「おしゃか様からしんらん様へ」、子ども用仏教書「ブッダが先生」の4点ですが、今回新たに「爪楊枝携帯グッズ」が加わりました。爪楊枝を携帯するのは、ちょっと面倒ですがこのグッズならポケットにも鞄にも入れておけます。
いろんな会社から見本やカタログを送ってきます。ほとんど似たり寄ったりですが、たまに興味をひくものがあります。それが今回は爪楊枝携帯グッズだったというわけです。こんなのはもらったことがないと先ず評判はいいです。まあタダでもらうわけですから文句は言えないでしょう。
これからのお寺は、まず知っていただくことが大切です。そのためには「ご縁物」を準備しておくことも必要ではないでしょうか。
 


2017年11月14日火曜日

怒りとストレス

朝から日馬富士による暴力事件のニュースが飛び交いました。事件があったのは10月26日の鳥取巡業の前日の夜行われたモンゴル出身力士懇親会の席だったようです。こんなことで鳥取の名前が出るのは嫌ですね。貴ノ岩は鳥取城北高校の出身ですから、故郷に帰ったような気持ちだったかも知れません。城北高校の相撲部の監督は関取石浦の父親です。貴ノ岩以外にも逸ノ城や照ノ富士、石浦などが城北高校出身です。
まずこの事件を聞いてビール瓶で殴ったというのが驚きでした。ビール瓶は相当な破壊力がありますから凶器と同じだと思います。翌日の巡業場所では、元気な様子が映っていましたから、不可解です。病院に行ったのが約10日後というのもよくわかりません。
診断書は右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑いなどとなっていたわけですから、さらに精密検査をする必要があるのではないかと思えます。いずれにしても横綱の暴力事件ということになれば、進退問題になることは避けられないと思います。
怒りは人間の持つ煩悩のなかでも三大煩悩に入るものです。訓練をすれば、怒りで前後の見境がつかなくなるのをある程度防ぐことは出来るのですが、これからは相撲でもメンタル面でのトレーニングが必要になるかも知れません。
怒りのコントロールが出来なければもっと重大な犯罪に結びつく可能性もあります。現代のようにストレス過剰な環境では、それを持ち越さず早めに解消しておくことが必要です。睡眠負債という言葉がクローズアップされましたが、ストレス負債ということもあるような気がします。溜め過ぎたストレスが今回のような形で爆発したのかも知れませんね。 

2017年11月13日月曜日

分骨の相談

幼子を残して亡くなられた女性のお母さんがおいでになり、娘の嫁ぎ先で葬儀を済ませたが、遠方のため日常的に墓参りをすることが出来ないので、分骨をして自宅の仏壇に遺骨を安置したいが構わないかと言うことでした。(ご門徒さんではありません)
お骨を分けてはいけないという決まりはありませんし、納骨前であれば改葬許可なのどの手続きも不要です。 仏教で言いますと、お釈迦様のお骨は仏舎利(ぶっしゃり)といって、世界各地に散らばっていて供養されていることからも、分骨すること自体に問題はないと考えられます。 浄土真宗では、お骨の一部を、親鸞聖人のお墓がある京都の大谷本廟に納骨するというという慣習もあります。
子供さんを亡くされて消沈されている様子でしたので、分骨されることをお勧めしましたところ、安心され喪主にお願いして見るということでお寺を後にされました。
相談から一か月後の今日お見えになり、喪主から分骨を断られたと言うことでした。ショックを受けられている様子でした。喪主が分骨を拒否されたようですから、分骨は不可能となりました。
分骨に関しては「魂が分割されるので成仏できない」「あの世で五体満足になれない」などといったことを信じておられる方もありますが、それらはすべて何の根拠もない迷信なので残念なことです。
次善の策として過去帳を作り、それを仏壇に安置して手を合わせられてはいかがですかとお話ししたところホッとされた様子で「そうします」と言われました。
教義から云えば正しい作法と言えない部分もありますが、それで救われる人があるなら多少のことは良いと思っています。これが恕の心ではないでしょうか。

2017年11月12日日曜日

たまにはサボるのもいいかな

昨日は一日さぼってしまいました。朝9時半から鹿野町のお寺さんの子供会を受け入れました。と言っても子どもの数が少なく、同伴の大人の方が多かった感じです。最初に「らいはいのうた」のお勤めを行い、私の方で「ブッダが先生」という本を使って法話を致しました。子どもより付き添いの大人の方が熱心に聞いておられました。
 子ども向けの本というのは、これ以上砕けないというほど、わかりやすく書いてあるので頭に入ってきやすいですね。私も子ども向けの本や漫画からヒントをいただくことはよくあります。法話にしても書き物にしても、子ども向けというのは、難しい言葉でごまかすことが出来ませんから、簡単ではありません。

法話の後、門徒会館に移動して西本願寺監修の仏典物語のビデオを見ました。物語の中にブッダの教えのたとえ話しが2分以内たくさん入っていますので、飽きさせません。帰りに子どもが色んな楽しいお話があったねと言っていたのが印象的でした。

続いて11時からは五十代で亡くなられた方の三回忌をお勤めしました。午後からは市内のお宅にお邪魔し入仏式をお勤めしました。新しく入った仏壇でお勤めするのは気持ちいいものです。

帰ってからは、報恩講で使う資料を作り直しました。早く準備しすぎると少しずつ気持ちが変わってきます。結局大幅に修正しました。そのあと連研修了者研修会のビデオ作りにかかりましたので、午前様になり日記が書けませんでした。


今日は午前中に丹比の光澤寺さんへ連研修了者研修会での組長あいさつに出かけました。6日前にNHKで放送されたニュースシブ5時の特集「寺の存続危機」という番組を録画したものをご覧いただきました。とんぼ返りし、昼食のあと報恩講の資料作りをして皆様を迎えました。報恩講は後住と衆徒である門田さんを迎え、三人の僧侶とご門徒さんで正信念仏偈のお勤めを致しました。

法話をしていると、どなたがどれくらいの本気で聞いていらっしゃるかがよくわかります。Eテレの100分で名著 歎異抄④を挟みながら4時までお話をしました。後片付けが終わるともう次のお参りの方が見えました。五七日のお勤めを行ないました。多用な二日間でした。
 

2017年11月10日金曜日

座間市で起きた事件

最近の大きな事件と言えば、座間市でおきた連続殺人事件をあげないわけにはいかないでしょう。残虐な事件だったので触れないでいましたが、ここに来て犯人の意図がわかり始めたので、一言書きたいと思いました。
この事件はおそらく忘れられることのない事件になるでしょう。映画でもこんな内容は描けないでしょう。相手の共感を得るための自分にも「死にたい願望」があるというのは嘘でしたし、死ぬしかない人を、楽に死なせてあげるための手伝いをするというのも嘘です。自分の欲望を満足させるためにありとあらゆる嘘を使ったと云えますが、そこまでして叶えたい自分の欲望とは何だったのでしょう。
捜査が進むにつれて全貌がわかって来ると思いますが、第一の殺人に手を染めるまでの経過が知りたいと思います。どんな過去があって、このような猟奇殺人をしたのでしょう。
少なくともこれまでこのような殺人を犯していなかったのなら、なぜこのように急激に人間と思えないような世界に、はまり込んでしまったのでしょう。人には人を殺せないというメカニズムがないのでしょうか。人間の心のなかは闇ですね。
この事件を聞いて仏教説話のアングリマーラを(央屈魔羅)を思い出しました。そして歎異抄の第13条を思い浮かべました。状況次第で人間は何をするかわからないということですが、まさにこのことだったのですね。
 

2017年11月9日木曜日

お寺用品はなぜ高いのか?

年末が近くなると色んなカタログやチラシが届きます。仏具関係、仏事消耗品や衣関係は平成30年版が来ます。家具や備品、粗品類さらに販促品まで見本が入った形で届くものもあります。冬が近いと云うこともあって、暖房機器がチラシに載っていますが、例外なく値段が高いです。同じような品物でも、家電量販店に行けば半額で買えるのにというものもあります。
最近はお寺も座布団に低い長机ではなく、椅子にテーブルです。椅子もテーブルも10センチほど低いものが主流ですが、椅子一脚が1万円~2万円、二人用テーブルが5万円くらいします。同じようなものにホテルの和室や料理店の和室に使う椅子・テーブルがありますが、こちらのルートで買うと3割~5割ほど安く手に入ります。
お寺で使う仏具はほとんどが手作りですから、けた外れに高いのはわかりますが、椅子やテーブルは宗派によって違うわけもなく量販品だと思います。それなのにお寺用になると高くなるのです。ホテルにいたのでわかりますが、ホテルでは少しでもいい品を安く手に入れたいということで、競争が激しいです。納入業者もギリギリで頑張っています。しかしお寺は多と比べることもなく、値切るでもなく言い値で買います。そのため少々高くても買ってくれるという意識が業者にあるのではないかと思ってしまいます。
お寺もお金が余っているわけではないので、ホテルや飲食業界のように安く仕入れるルートを開拓して欲しいですね。

2017年11月8日水曜日

これからのお寺組織

最近相談に来られる方が多くて、今日も来られました。嫁ぎ先のご両親の眠る先と自分たちのお墓を求めておられるようでした。最初はネットで見て養源寺の納骨堂がいいと思われたようですが、家族で話し合ったところ、義母さんはお墓にこだわっておられることがわかりました。両親はお墓、自分たちは納骨堂という考え方もあるかなと言われました。自分たちが自由に出来るようになった時点で、お墓を整理し納骨堂に一本化するという構想のようです。
お金が余っているならそれでもいいですが、数年後か十数年後に整理することを決めているのでしたら、墓を作るのは勿体ないと思いました。お義母さんともう一度話し合ってはどうかと勧めました。
10人相談があると10通りの答えが存在します。全てに一つのお寺で対応するのは難しいですから、いくつかのお寺が協力して選択肢を増やして行く必要があると思います。
田舎のお寺と街中のお寺それぞれに長所短所があります。これからは、方向性の同じお寺同士が協力し合う時代になると思います。我が道を行くお寺は、ジリ貧になって行くでしょう。
互恵関係をうまく作っていくことが必要だと思います。今なら試行錯誤出来るでしょう。タイミングを逃さず進めて見たいと思います。
 

2017年11月7日火曜日

お寺の掃除

高校卒業50周年を記念した同窓会を来年やろうと云うことで、4回ほど幹事会を開きました。第一回目は市内のレストランでしたのですが、他のお客さんもいたり音楽が流れていたりで、話しがよく聞き取れないような状態でした。何しろクラスが15もあり、幹事が複数のところもあるので、幹事会と言っても20名以上が集まるのです。それだけでちょっとした同窓会気分です。2回目からは門徒会館や研修室を使って開催しています。
そのたびに同級生から聞かれるのが、掃除のことです。こんだけ広いと掃除が大変だろうというのです。確かにいつもきれいにしておこうとすると大変です。全部の部屋を掃除しようとすると、毎日案時間も費やすことになりますが、使う予定の部屋だけ掃除するようにすれば何とかなります。
最近は掃除ロボットもあるので、掃き掃除のロボット2台と拭き掃除のロボットを1台使っています。掃除機も6台あり、うち2台はスティック型のコードレスですから、手軽に掃除できるようになりました。
ロボットは部屋を使わないときや夜でも掃除できるので便利ですが、床に物がない状態にするのが少し手間です。
これから大掃除の時期が来ますが、仏具磨きや窓ガラスの掃除は時間がかかります。落ち葉の舞う境内は毎日こまめに掃除が必要です。こう考えると、お寺は掃除に費やしている時間が多いのかも知れません。でも汚いところで法事はしたくないですもんね。
 

2017年11月6日月曜日

性格はどう作られたか

今日は快晴でしたが、日陰では肌寒く感じられました。太陽のぬくもりがありがたく感じられる一日でもありました。
ユング、フロイトと並び称される心理学者にアドラーがいます。アドラーによりますと人の性格はその人のライフスタイルにそのまま出てくと言います。そのライフスタイルは、無意識のうちに幼いときにつくられたものだと云います。多くの動物は生後間もなく自分の足で立ち、自分の力で栄養を取りますが、人間は未成熟な状態で生まれますので、親の保護なしでは生きることが出来ません。
そのため親から見放されることを非常におそれます。親から見放されることは死と直結するからです。ある子どもは親の言うことを聞いていれば安心して暮らせることを知ります。また、ある子どもは自分の弱さを見せることで親の愛情を得ようとします。またある子どもは問題行動を起こすことで親を自分の方へ向かせようとします。
個別に見ていくとまったく違う行動のように見えるかも知れませんが、共通しているのは親の関心を引き寄せる行動であると云うことです。子どもなりに戦略を立てて行動しているわけです。そしてそのうちの成功した戦略だけが自分の意識のなかに残っていくわけです。失敗した戦略が使われることはなく、今後の人生では成功した戦略だけが繰り返し使われることになり、性格が出来上がっていくとアドラーは分析しています。
そのことがわかれば性格は変えることが可能です。自分ならこうするというところをあえて別の方法を試してみましょう。それを繰り返すことによって何が良いのかということがわかって来ると思います。さらに上を目指すライフスタイルを実践して見ませんか? 

2017年11月5日日曜日

仕事の選択

私はお寺に生まれ、また一人っ子だったので子供のころから漠然とお寺を継ぐものだという気持ちになっっていました。そういう意味では選択肢がたくさんあったわけではありません。大学を出て就職を決めるときも転勤のない地元企業で土日が休みということが条件でした。
友人の多くは県外に就職しましたが、中には東大を出て官僚になるか、大手企業に勤めるかで悩んでいる者もいました。また、地元企業の御曹司で、有無を言わさず跡取りになっていく者もいました。今になってわかるのは、学校の成績や学閥で将来が決まることはほとんどないと云うことです。大学を出るまではエリートコースを進んでも、社会に出てからはそううまく行かないことを見て来ました。社会に出てどんなことを経験して来たかが重要だと感じました。
お寺でなく一般家庭に生まれていれば、選択肢はいろいろあったのではないかと思いましたが、多くは親の影響を受けることがあり、親と同じ職業という人の多さにびっくりします。自分で仕事が選択できるのは、一定の人生経験を積んだ40歳以降のような気がしています。それから本当で自分の選択した仕事に就けると思います。
自分を振り返ると50歳で新しい仕事を経験しました。自分の意思で全く違う世界に飛び込みましたが、それが自分を大きく育てることにつながったと思います。現代は寿命が延びましたので、50歳からが勝負と考えてもいいと思います。自分のやりたいことを発見し、人生を大いにエンジョイしてください。

2017年11月4日土曜日

お布施に領収証は必要か?

当山では葬儀などのお布施に対して「ご懇志受領証」というものをお渡ししています。中にはお寺から領収証がもらえるのですかとびっくりされている方もありました。一般的な慣習から云いますと、お渡ししない方が多いのではないかと思います。私もいままで、施主の方から領収証を下さいと言われたことはありません。また、「ご懇志受領証」を出していると云っても、年回の法要や宅参りでいただくお布施全部に出している訳でもありません。ほとんど葬儀の場合だけと言ってもいいと思います。もちろん受領証の控えも残しています。
受領証を出す理由は大きく分けて二つあります。当山は宗教法人の会計をオープンにしている関係上、整合性を取るため受領書をきちんと出す方が望ましいと考えるからです。それから一般論として、喪主の中には出したお布施より過大な額を計上することがあると云うことです。
まさかと思われるかも知れませんが、葬儀にかかったお金は必要経費として遺産から控除されることが認められるからです。つまりケースによっては相続税が軽減することがあるのです。お寺が受領した額と支払ったとされるお布施の額が違う場合、差額を住職が個人で受け取ったとみなされる可能性はゼロではありません。万一個人が受け取ったとみなされると、給与所得となり源泉所得税の対象となります。受領証を出すことによりそのようなことが起きるのを事前に防ぐことが出来ます。
「お布施に領収証は必要か?」という問いに答えるとするならば、世間の感覚からすれば必要ではないが、出しても邪魔になるものではないし、手間がかかるわけではないので、出しておいた方が無難であると云うことです。
 

2017年11月3日金曜日

お寺は時間をかけて

昨年の12月に単独で相談に見えられた方が、ご主人と一緒に養源寺安穏堂の利用申込書を持って来られました。ご主人は3日前にお嬢さんと10か月のお孫さんとお見えになった方でした。
一緒に見えられて少しお話しをしていたのですが、奥さんが私は昨年来たのですよ覚えておられないでしょうがと言われました。
私のところは訪ねて来られた方が相談された場合は、必ず記録しています。お話を聞いている時もメモしますが、お帰りになった後、思い出しながら誰が見てもわかるように書き直します。そうすることによって、誰が二回目に対応しても経過がわかります。
今回も昨年来られたということで相談票を見ますと、すぐにわかりました。同じ話しを二度する必要がないのです。これはサラリーマン時代に会得したことです。窓口は交代して勤めますので、別の人間が対応してもわかるように連絡ノートを作っていました。それをパソコンに入力することによって、名前でも日付でも相談内容でも検索することが出来、相談内容がわかります。
お寺の場合はパソコンを使うほど相談は多くないので、手書きのノートで対応できますし、今回のように1年前の相談でも対応出来ました。サラリーマン時代は効率を求め合理的に仕事をしていましたが、お寺は違います。悩んで悩んで結論を出すことも多いので、数年かかることもあります。それを待てるのがお寺ですし、お寺は効率を求めてはいけないと思います。これからも人の心に沿いながら、ゆったりとした心で進みたいと思います。


2017年11月2日木曜日

新たな住宅問題

空き家は更地にすると税金が高くなるため、持ち主が放置するという問題は以前にも書きましたが、ここに来て新たな住宅問題が生まれてきました。地方、都会を問わず賃貸に住んでいるという高齢者は多いと思います。中でも昭和55年以前に作られた賃貸住宅は、今建て替えの時期を迎えています。このタイミングで、建て替えをするために住民に退去を求める建物が増えていると云います。これで困るのが夫婦や単身の高齢者です。
次の入居先を見つけようと思っても、家賃の問題や保証人の問題で困難を極めます。頼みの公営住宅は競争率50倍ということで、なかなか当たりません。そこでターゲットになったのが、数多くある空き家です。空き家に住むことが出来れば問題解決なのですが、空き家のほとんどが耐震に問題あるそうです。
耐震工事には高額な費用が必要となります。今後さらに増えていく退去を求められる高齢者のために安心して暮らせる住居を確保することが急務です。

2017年11月1日水曜日

お寺の診断結果

相変わらずお墓や永代供養のことで相談に見えます。1週間空くということはありません。それだけ相談しやすい環境が出来たのでしょうか?それとも、切羽詰まっている方が増えたのでしょうか。嫁ぎ先には菩提寺もあるしお墓もあるけど、旦那と同じ墓には入りたくないという方もおられます。そういうことはレアケースだと思っていましたが、そうでもないようです。
一般社団法人 お寺の未来が公開しているお寺のWeb診断を受けて見ました。次のグラフが当山の診断結果です。青が当山、ピンクが平均値です。



慈悲の社会福祉活動や充実したエンディングサポートの面が弱いことがわかりました。また、仏教・寺院運営に真摯な僧侶・スタッフが作れていないことにも問題がありそうです。
こういう客観的に見られる指標があると大いに助かります。これを作られた方が12月の鳥取因幡組実践運動推進研修会の講師で来られます。今から楽しみなことです。