2017年4月16日日曜日

これから目指すお寺とは

今日は若桜町にあるお寺さんの春の仏教婦人会法座でお話しをさせていただきました。テーマは「お寺の役割り」としました。歴史的に見たお寺の役割りの変遷を見て行きました。そしてイエ制度の消滅と檀家制度の崩壊とがなぜ同時リンクしなかったのかという問題を探りました。最終的には、葬儀・法事に頼らなくていいお寺を目指すわけですが、お寺にお墓と過去帳がありますので、先祖供養という習慣はしばらく無くならないでしょう。

いま一般のお寺の多くは、葬儀・法事に伴うお布施が収入の大半を占めており、それでお寺が潰れないでいるのだと思います。葬儀・法事は檀家となっているお寺で行なわなければならないという仕組みは、江戸時代の寺請け制度が発端ですが、信教の自由ということから言えば変な話しです。本来は、自分の信じる宗教で葬儀をやっても構わないと思えます。

檀家制度は、お寺の収入源の確保という意味では保護政策と言ってもいいような制度です。しかし、もともとお寺は葬儀や法事によるお布施がなくてもやってこれたわけですから、もう一度そういうお寺を目指すのも悪くないと思います。

現代には葬儀・法事による収入に頼らないお寺として、観光寺院や祈願寺、宿坊があります。それ以外では、大阪の應典院が有名ですが独立採算でやって行けるのかは不明です。また、檀家制度を止めた寺院もありますが、名前を会員組織に変えたけどやっていることはあまり変わりなかったというようなところもあります。お寺を丸ごとカフェにしたところもありますが、それでだけで食べてゆけるというわけではありません。

いろいろ調べてみましたが、現状では一気に変革と言うのは難しいようです。道筋としては、お寺に集うことが楽しい、やりがいがある、毎日来ても飽きないというような場所にして、会員を数多く集めるということが出来そうです。飲食で言えば精進料理、寺カフェ、ボーズバー、ボーズ居酒屋などが考えられます。写経、写仏に加え歌声喫茶などもいいかも知れません。お寺でなければ出来ないこととお寺でも出来ることを融合させて行けばいいのではないかと思います。
一つのお寺では無理ですので、いくつかのお寺が一緒にやらなければなりません。その垣根をどうするかも難問です。今回のテーマは、日頃思っていたことを整理整頓するいい機会となりました。

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