2017年4月11日火曜日

仏教の危機

個人的な見解ですが、歴史的に見た場合仏教の危機と言うのは何度かありました。一番最初は釈尊の死でしょう。釈尊はすべて口伝であったと言われますから、その教えは死と共に忘れ去られる運命にあったと思われます。口伝を結集しお経と言う形で残したことで生き残ることが出来ました。

その次は、大乗仏教の登場でしょう。理屈が通るならということで、上座部仏教とは別の形で作られたものです。しかも釈尊の教えより上位に位置付けていましたので、場合によっては釈尊の仏教が消えてしまいかねない状況でした。これものちの学問で明らかになり、仏教の系統がはっきりしました。その次は日本の明治維新でしょう。僧侶という身分が無くなり、行政機関としてのお寺の役割が終わったのです。与えられていた特権が無くなり、寺請け制度も廃止され、お寺や僧侶の役割が無くなるかと思われました。ところが政府が焦りすぎて、神道で国教を作ろうとしたため、反対勢力の力が強まり思い通りになりませんでした。本当でしたら寺請け制度の廃止と共に、檀家制度も崩壊するところでしたが、仏教を信ずるのも自由にしたため今日まで残っています。
今ある仏教の危機は深刻です。少子化による家族制度の崩壊は、そのまま檀家制度の崩壊につながりますし、葬儀が慣習化したため宗教色が無くなり、僧侶不在でも葬儀が成り立つようになりました。檀家と葬儀の二つが無くなれば、お寺不要論も出て来ると思います。お寺ももう一度原点に戻って考えるときが来たようです。
 

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