2017年4月30日日曜日

お寺の会費のあり方

今日で4月も終わりです。年度当初と言うのは決算処理や総会などの会議も多く、多忙な月となります。転勤族の場合は新任地であることも多い月です。お寺ではご門徒の方に新年度の会費をお願いする月でもあります。また、お寺にも組からの会費、教区からの会費、本山からの会費請求が間もなく参ります。

当山での名目は護持会費と言っています。まあ一般的な名称だと思います。浄土真宗ではほかに門信徒会費と言っているところもあるようです。この会費は、どういうことに使われるかと言うと基本的には最低限お寺を支えていくためのものとして使われることが多いようです。当山の場合は、まず第一に建物の火災保険です。本堂や客殿、庫裡を建て直そうとすると莫大な資金が必要となります。そのための備えと言うことです。そして次に本山や教区、組に払う賦課金です。この二つで収入金額の8割程度使ってしまいます。

残りの2割を境内庭木剪定代や墓地清掃費にあてますが、護持会費ですべて賄いきれるものではありません。それらの不足分や水道光熱費、寺務費、人件費、教化費、法要費などは宗教法人会計で賄っています。現在の収入の大部分は門信徒の皆さんからのお布施ですので、葬儀や法事に頼った運営となっていることは否めません。
理想としては会費などはなくして運営したいのですが、そのためには自主的に寄付をしていただけるようなファンを作って行くことが必要となります。多くの方が参加したいと思えるような活動や運営を模索中です。


2017年4月29日土曜日

見た目の若さは大切

あなたは実年齢よりも年下に見られますか?それとも年上に見られますか?という質問がのっていました。人それぞれだと思いますが、実は見た目というのは寿命の長さと関係あることが分かったそうです。70歳以上の双子1,826人の顔写真を見せて7年間追跡した結果、実年齢より高く見られた方の人の寿命が短いことが判明したそうです。

実験結果によりますと、見た目年齢が若い人ほど身体機能、握力、認知機能が高かったようです。また、細胞の寿命に関係するという染色体のテロメアが長いことが分かりました。テロメアは細胞分裂に伴って短くなり限界まで短くなるとそれ以上細胞分裂が出来なくなることが老化と関係あると言われています。

見た目を若くするために心がけることは、まう禁煙することと、なるべく紫外線をさけること、血糖値を低く抑えること、ストレスを目一杯受けないことであると言われています。どれも少し注意すれば避けられることです。さらに緑茶に含まれるポリフェノールを摂取することが有効だそうです。見た目を若くするため明日から実践しましょう。
 

2017年4月28日金曜日

鳥取因幡組組会が開かれました


10時より墓地で納骨式を執り行い、11時より鳥取因幡組会計の引継ぎを行ない、午後1時より鳥取因幡組門徒総代会で挨拶をし、午後2時から鳥取因幡組の定例組会に臨みました。組会は皆さんが重要な会議と位置づけられているらしく、出席率は高い水準を維持しています。

今まで自然災害による寺院の被害についてはあまり関心がなかったのですが、昨年10月の鳥取県中部地震以降急速に意識が高まって来ました。鳥取因幡組としても災害見舞金規程を作らなければならないと思いました。今後一年かけて成文化を図りたいと思います。

次に江戸時代から続いた寺請け制度に伴う檀家制度が揺らいでいます。檀家制度は家を単位にしていますが、家族制度が大家族から核家族に移行したことに関連して、門徒が家単位から個人単位へ移行しつつあります。昔は家長制度の名残で、檀家制度も盤石でしたが家族制度が変わったことにより、必然性が薄れて来つつあります。将来このようなことを組会で議論しなければならないと思っています。
 

2017年4月27日木曜日

こども未来ネットワークの活動


今日はこども未来ネットワークの監査でした。昨年4月から今年3月までの事業と運営と会計を見させていただきました。NPO法人ですので、行政にも報告がされますが、内部牽制制度も持っていますので、しっかり聞かせていただきました。

子供が対象ですので幅広い分野で活動を展開しています。予算と人手に限りがありますので、規模は大きくないですが、内容は何処に出しても恥ずかしくないほど、こども目線の活動がいっぱいです。宝くじに当たったら全額寄付したいくらいの活動内容です。

議案書のような形にすると、短い言葉の中で表現しなくてはなりませんから、活動が伝わって来ませんが、一つひとつの活動をじっくり聞くと、こども達の笑顔が伝わって来ます。ぜひ報告集のような形で残し、次世代へつなぐことが出来ればと思います。
ケータイやネットとどう付き合って行けばいいのかを研修する鳥取県の委託事業も行なっていますが、研修で学んだことを活かせる人を育て、そこから横に広がりを持たせたいと感じています。本来なら国や県などが率先して予算を付け、ヒトモノカネをつぎ込む価値のある活動だと思います。何が足りないのかじっくり考えて見る必要がありそうです。写真は境内の牡丹です。

2017年4月26日水曜日

政治家に失言が多い理由

またかと言う感じで政治家が失言を重ねています。今回は名誉挽回のための場であったと言いますから、どうしようもない感じです。政治家の仕事の一つに弁論があります。例えば問題を解決するために、問題が起こった原因、その背景、解決の方法、手順、かかる費用などをわかりやすく説明する能力が求められます。そしてその提案について多くの人の賛同を得る能力も必要です。

日本は民主主義の国ですから、主権は国民にあります。選ばれた議員は国民に対して法律を作る目的や期待できる効果、先進国の例などを挙げて説明する責任があります。ただ立法できるかどうかについては、いちいち国民に問うのではなく、国民に選ばれた国会議員同士で論を戦わせ、最後は議員の多数決で決めます。国会の多数決で決められた議員が内閣総理大臣になり、国務大臣を任命して内閣を作ります。そして法律に基づいて行政執行するのが内閣の役割りです。

今回失言をした大臣も総理大臣から任命されたものであり、国民や国会が選んだものではありません。従って例えば国会で大臣の不信任案が可決されても法的効力はありません。総理大臣から辞めなさいと言われるか自分が辞めるかしかないのです。今回は事実上総理から辞めなさいと言われたようなものです。
政治家に失言が多い理由は二つ考えられます。一つは主権在民ということを忘れているからです。自分が権限を持っていると考えるから上から目線の発言になるのだと思います。もう一つは、多数決がすべてだと思いすぎているからだと思います。民主主義の原理は多数決ですから、それも仕方ないかも知れませんが、数が多いことが正しいと思っているところが間違いです。都道府県の中で数が一番多いのは東京都です。そこの意見を重視し、そこの民意を得ていれば自分は正しいと思っているところに原因があります。根本的に考えを改めない限り失言は続くでしょう。

2017年4月25日火曜日

スマホは寝るとき離すべし

今日のダイヤモンド・オンラインの記事にはドキッとしました。「なぜスマホをアラームにしては絶対にいけないのか」という記事でした。特に悪いのは通話モードで、ノンレム睡眠に達するのが遅くなり、回復力、免疫機能、ホルモン機能が低下するらしいです。また、電話を切ってから1時間以上も悪影響が続くようです。

また、画面から出る光のスペクトルは、日中に分泌されるホルモンの分泌を夜になっても促すということをしてしまい、眠っているときに必要なセロトニンの分泌に遅れが生じるという結果をもたらします。スマホは情報が入ると画面が輝くように出来ており、夜間でもブルーライトを発します。それが良くないのです。また、寝室にテレビを置くのもよくないということです。テレビを置くのと置かないのとでは、妊娠率に大いなる変化があると言います。
 
また、ノートパソコンをワイヤレス環境でネット接続を続けると、精子の運動能力の著しい低下を招き、精子DNAの断片化が進むそうです。これらは最近になって分かったことですが、日本での少子化や晩婚化などは、電子機器に影響されているのかも知れませんね。

2017年4月24日月曜日

ポッカリ空いた穴

今夜百ヵ日法要で、ご門徒さんのお宅を訪問しました。朝お話しをしたときに、最近は人に会うのが嫌で、ほとんど出かけていないとおっしやっていたので心配していましたが、お顔を見るとお元気そうで安心しました。風邪が治りかけのところなので、正信念仏偈ではなく、阿弥陀経にしようかと思いましたが、七日ごとにお勤めした方々がお参りでしたので、やはり正信念仏偈にしました。

何とか声も出て無事終わりました。法話では卒哭忌のことについて話しました。嘆き悲しむことから卒業ですといっても、心の穴の大きさは人によって違います。百日経ったからと言って、悲しみから卒業できるとは限りません。1年たっても2年たっても引きずっている人はいますが、時が癒してくれているのは間違いないです。こういう時は言葉は無力なものだと感じます。
 
法要から帰ってテレビのニュースを見ていたら、北朝鮮の明日の動きが気になりました。アメリカの空母は日本海に近づいていますし、北朝鮮の動きも不気味です。アメリカも北朝鮮もそんな馬鹿なことはしないだろうと解説者は言っていますが。過去の戦争はまさかという動きから始まっています。もう十分追いつめていると思いますので、明日の二ユースが不安です。

2017年4月23日日曜日

吉田拓郎ラジオでナイト


今日は快晴でしたが最高気温が17℃と低めでした。午前中は尼崎からお見えになった方の法要をお勤めし、午後からは執行部の方に集まってもらって定例組会議案書の製本と発送作業を行ないました。本冊と6つの教化団体の議案書が一緒になりますので、40ページほどの冊子となります。事前に配布することにより、あらかじめ目を通していただけますし、当日の審議もスムーズに行くと思います。また、欠席される寺院も同じタイミングで議案書を手に出来ます。

大きな組織ではないのでここまでやる必要はないかも知れませんが、サラリーマン時代に議案書事前配布の癖がついているので、可能な限りやってしまいます。事前に配布しておけば、当日の出席が出来ない代議員の方が議決権を行使することも可能になります。準備するのは少し大変かもしれませんが、ぜひ事前配布をお願いします。
 
4月2日より吉田拓郎のラジオでナイトという深夜放送が始まりました。夜遅いので直接聴くことは難しいのですが、今の時代はyoutubeで聴くことが出来ます。坂崎幸之助に飽きたとのことで、一人でやっていますが拓郎節全開です。いろんなコーナーがありますが、いい企画を台無しにしているのは拓郎です。でもそれが又面白いですよ。今日も夜11時30分より始まります。深夜に強い方は是非なまでどうぞ。


2017年4月22日土曜日

お坊さん倶楽部


「日本初 お坊さんとお寺のお役立ちサイト」というものがインターネット上で始まりました。このサイトは、お坊さんやお寺の関係者がお寺を運営する上で、どんなことを知りたがっているのかというところから始まったようです。お寺運営や地域活性、イベント運営、または財務などのプロフェッショナルが情報を掲載するということです。

現在のトップページには役に立ちそうなテーマが並んでいます。目に入るのは6種類のコラムですが、それぞれ10回連載されるようです。サイバー坊主養成講座、寺社旅研究家アイデア帳、ITが仏教を原点回帰する、いまさら聞けないお寺の話し、人の集うお寺イベント術、檀家減少時代にお寺は何をすべきか、などが並んでいます。第一回目を一通り読んでみましたが具体的な内容にはまだ踏み込んでなく、私としては目新しいものはありませんでした。

少し興味を持ったのは、「大成功したお寺イベント。でもなにかが違う。」でした。イベントを行なうことにより、瞬間的には「お寺が身近で楽しくて温かい場所」になるのですが、終わった後はまたいつもの寺に戻り、市民とのつながりの薄いお寺に戻ってしまうという悩みが書かれていました。

お寺でイベントをやったときには誰もが感じることだと思います。イベントを始めたころは、多くの人を集めることがお寺を知ってもらうことに繋がると考えていました。人集めも大切ですが集めることが目的になってしまうと一過性を強く感じることになります。

私の場合イベントは敷居を低くするためのものです。必要があったときに相談しやすい環境を整えていくことにあります。隣の町内の方に時々出会いますが、「色々な活動をやっておられますね。子供からお年寄りまでを対象に、社会還元活動も盛んですね。」と言われます。そのためには、継続することと、活動をアピールして行くことが必要です。回数は少なくても、門前に看板を出したり町内回覧版にチラシを載せたりすることで外に開かれたお寺だと認識されます。興味があるイベントの時は参加するという意識を持ってもらうだけで充分だと思います。
次回はイベントをする目的について書かれるようですので楽しみにしています。

2017年4月21日金曜日

伯耆組とのブロック打ち合わせ

浄土真宗本願寺派は山陰地方で一つの教区を作っています。ただし寺院数は鳥取県28ヵ寺、島根県430ヵ寺となっており、圧倒的に島根県に偏っています。鳥取県内でも非常に偏っていて合併後の鳥取市に12ヵ寺あるのに対し、米子市には1ヵ寺しかありません。本願寺派は全国で一万ヵ寺以上ありますが、分布は偏っています。富山県には教区が二つあります。

ブロックと言うのは鳥取県単位ということですが、共同のブロック主催事業としては、現在は僧侶研修会しかありません。今回は因幡組担当となりましたので、僧侶の法話力アップを目的として講師を選定し、大峯顕さんや釈徹宗さんを当たりましたが今のところ都合がついていません。今後時節にこだわることなくベストな講師を探したいと思っています。
 
伯耆組の報告を聞きましたが、寺院数が少ないためか結束力が強く、宿泊を伴う研修旅行なども実施されています。世代交代も早めに展開され、組長も全国一若いのではないかと思っています。お寺は人口や信仰度、土地柄などの立地条件や規模などにより寺院間の格差が随分と大きくなっています。規模が違い過ぎると課題の共有と言うところが難しくなります。そうなると地域やブロックで組織化することの意味が見いだせなくなるという矛盾を抱えることになります。これからの展開は先が見えないだけに難しいものとなりそうです。

2017年4月20日木曜日

人生は悩み多し

午後、叔母の入院している病院へ必要なモノを届けようと外出しているところへ、携帯電話が鳴りました。約1か月前にhasunohaで回答した女性の方からでした。こんな素晴らしい男性はないと思って結婚したあとの不倫に打ちのめされているという相談でした。その時に恕という文字を使ったのですが、その文字が気になって仕方ないということでした。

恕と言う文字は、相手のことを自分のことのように思いやるという意味ですが、そこから始まってゆるすという意味もあります。ただゆるすということではなく、相手に思いやりや慈しみを持って許すという意味で、相手の過ちを自分の中で溶かしてしまって、すべてを含んで受け入れるということになります。許すは相手の気持ちを聞くことであり、赦すは罪をゆるすことであり、恕すは相手の気持ちを思いやるという使い分けになります。

今年の漢字を選ばれる高僧の方たちが、後世に残したい漢字のトップに選ばれた文字です。怒りという文字に似ていますが、意味は真反対です。如とはありのままという意味であり、奴とは軽蔑する気持ちを表す文字ですので、似て非なるものです。
夕方には、ご門徒さんではありませんが、少し縁のある方が悩みの相談に見えました。難しい相談でしたが、最後は自分で決めるしかないので、自分が前向きに感じる方を選ぶというのも一つの方法ですよというようなアドバイスをしました。結局は一つしか選べないわけですから、良かったと思うのも、後悔するのも自分が作っていることなのです。

2017年4月19日水曜日

マイナス金利が及ぼす影響

新年度に入り宗教法人の決算を行なっています。2015年度と2016年度の違いで明らかになったのが、預金利息です。2015年度までは大した額ではないのですが、どの普通預金口座にも年に2回預金金利がついていました。平均残高の少ない預金通帳を手入れしてみると、利息の全くない通帳がありました。そのほかの通帳でも預金利息は2015年度と比較すると激減していました。

現在の普通預金利息は0.001%です。また、預金利息には国税15%、地方税5%の税金がかかり、さらに20371231日までは、国税に復興特別所得税(0.315%)が付加されます。したがって1円以上の利息を付けるためには、1年間にわたって平均残高126,000円をキープしなければいけません。平均残高25万円でも預金利息は1円です。

なぜこのようなことになっているのでしょう。それはご存知日銀のゼロ金利政策のためです。発表された当初は、日銀が金融機関に貸し出す金利ということで、私たちには直接関係ないと思っている人もいたかもしれませんが、都市銀行、地方銀行にとって見れば大問題です。最終的には消費者が影響を受けることになりました。利息はもはやあてにならないものとなりました。預金手数料を取られないだけましと思われるかも知れませんが、お金を動かすには振込手数料が必要であり、最低でも216円かかります。216円の利息をもらうために必要なお金は、平均残高で約2,700万円です。如何に手数料が高いかが分かりますが、諸費者にはどうしようもありません。自衛手段としては、インターネットバンキングで手数料のかからない方法を見つけるくらいしかありません。同一金融機関内に故人で振り込む場合は無料という金融機関は多数ありますし、郵貯ダイレクト送金ですと個人、法人を問わず月5回までは無料です。この仕組みを駆使して経費節減に努めるしかなさそうです。
 

2017年4月18日火曜日

終活の目的

終活とは人生を終えるにあたっての活動ということだと思いますが、今の風潮を見ていると、必ずしも余命がはっきりしている人だけのものではないようです。例えば人生85年と考えて、そこに向けて準備をするというような感じがします。根底にあるのは、人に迷惑をかけたくない、自分で出来ることは事前にやっておくということのようです。しかし、どんなに頑張っても自分の葬儀を自分でやるわけには行きません。棺桶にも自分の足で歩いて入るわけには行きません。結局誰かの世話になるのです。

世話になるのが業者だけであれば、ビジネスとして考えれば済むことで、迷惑にはなりません。業者にも出来ないことはいろいろあります。それが家族、親族のやることです。普段から迷惑にならない人間関係を作っておくことで避けれられます。一番いいのは菩提寺の世話になることです。近頃はお寺で葬儀が出来るところも増えていますので、一度頼んでみて下さい。

お寺であれば、今までの長い付き合いがあったり、奉仕作業を手伝ったり、法座に出たり、総会に出たりなど何らかのつながりがあると思います。また、今はなくともご先祖はあったかも知れません。葬儀のお勤めを、お寺が迷惑に思うことはありません。そしてお寺がリーダーシップをとることにより、ご家族やご親族に抵抗なく手伝ってもらえます。いい思い出にもなるでしょう。そこには人のつながりがあり、迷惑と言う気持ちは存在しません。
もしあなたが終活ということを考えておられるなら、その中心にお寺を置いて考えて見て下さい。


2017年4月17日月曜日

墓地管理者の義務と責任

墓地管理者とは言葉通りその墓地全体を管理するもののことで、今の法律では自治体かお寺に限られています。また、個別の墓を守る人は祭祀継承者と言います。私のところでも墓を都会に移転したいということで、役所から改葬許可証をもらってくる人があります。収められているお骨をすべてお渡ししています。そのことに特に疑問は感じなかったのですが、月間住職の記事を見て反省しました。

その記事は、祭祀継承者の方がキリスト教信者で、先祖の遺骨をキリスト協会に移転したいということでした。そこのご住職は遺骨をすべて持って帰ることと、更地にすることを条件に改葬を許可したそうです。この記事の著者は、ご先祖は仏教徒として菩提寺の墓に入ったのだから、それをあとの人の都合で勝手に協会に改葬することは許されることだろうかと疑問を呈しています。ご遺骨は管理者の責任として何らかの形で境内に安置しておくことが、管理者の責任ではないだろうかと言っておられます。私は、遺骨は祭祀継承者の自由になると思っていましたが、この例を見ると亡くなられた方の意思は無視されているように感じました。

当山の納骨施設では、直系の子孫と言えども遺骨は移動出来ない規約にしています。ただしお墓については、改葬許可証があれば応じています。役所も故人の遺志など考えも及ばないでしょうから、管理者として考えなければならないことだと思いました。

2017年4月16日日曜日

これから目指すお寺とは

今日は若桜町にあるお寺さんの春の仏教婦人会法座でお話しをさせていただきました。テーマは「お寺の役割り」としました。歴史的に見たお寺の役割りの変遷を見て行きました。そしてイエ制度の消滅と檀家制度の崩壊とがなぜ同時リンクしなかったのかという問題を探りました。最終的には、葬儀・法事に頼らなくていいお寺を目指すわけですが、お寺にお墓と過去帳がありますので、先祖供養という習慣はしばらく無くならないでしょう。

いま一般のお寺の多くは、葬儀・法事に伴うお布施が収入の大半を占めており、それでお寺が潰れないでいるのだと思います。葬儀・法事は檀家となっているお寺で行なわなければならないという仕組みは、江戸時代の寺請け制度が発端ですが、信教の自由ということから言えば変な話しです。本来は、自分の信じる宗教で葬儀をやっても構わないと思えます。

檀家制度は、お寺の収入源の確保という意味では保護政策と言ってもいいような制度です。しかし、もともとお寺は葬儀や法事によるお布施がなくてもやってこれたわけですから、もう一度そういうお寺を目指すのも悪くないと思います。

現代には葬儀・法事による収入に頼らないお寺として、観光寺院や祈願寺、宿坊があります。それ以外では、大阪の應典院が有名ですが独立採算でやって行けるのかは不明です。また、檀家制度を止めた寺院もありますが、名前を会員組織に変えたけどやっていることはあまり変わりなかったというようなところもあります。お寺を丸ごとカフェにしたところもありますが、それでだけで食べてゆけるというわけではありません。

いろいろ調べてみましたが、現状では一気に変革と言うのは難しいようです。道筋としては、お寺に集うことが楽しい、やりがいがある、毎日来ても飽きないというような場所にして、会員を数多く集めるということが出来そうです。飲食で言えば精進料理、寺カフェ、ボーズバー、ボーズ居酒屋などが考えられます。写経、写仏に加え歌声喫茶などもいいかも知れません。お寺でなければ出来ないこととお寺でも出来ることを融合させて行けばいいのではないかと思います。
一つのお寺では無理ですので、いくつかのお寺が一緒にやらなければなりません。その垣根をどうするかも難問です。今回のテーマは、日頃思っていたことを整理整頓するいい機会となりました。

2017年4月15日土曜日

仏教壮年会創立40周年


今日は鹿野町にあるお寺さんの仏教壮年会の祝賀行事に組長として参加させていただきました。鳥取因幡組の仏教壮年会は、ほぼ半数の寺院で作られていますが、ベースは旧気高郡の4ヵ寺です。現在でも浄土真宗のご法義の篤い地域として知られていますが、昔は因幡組でリーダーシップをとられていたのだと思われます。

ご住職がノミュニケーションでは、因幡組一のお寺ですと言われていましたが、参加してみてそのことが良く分かりました。門信徒会長さんが、あいさつの中で飲むだけではダメで、語るだけでもダメ、飲んで本音を語ってこそ意味があるとおっしゃっていました。また、お寺での飲み会は、こそこそせず家内に今日は飲んで来るぞと大手を振って出て来られるのが良いと言われましたが、お寺と言うのはそういう信頼感があるのだと感じた次第です。帰ってからの仕事があったため、祝賀会では飲めませんでしたが、お酒の効用も感じた次第です。

祝賀会の前の講話は「無縁社会、多死社会でのお寺の形」というテーマでした。現代はいろんなことをやるお寺が注目を浴びているけど、昔ながらの法座を行ない、いつでもお茶を飲みに行けるお寺の価値が見直されつつあるとおっしゃっていました。新だけではダメで、旧だけでもダメです。新旧合わせることがこれからのお寺に求められるのでしょう。
 

2017年4月14日金曜日

教化団体の位置づけ

浄土真宗本願寺派では、僧侶を中心とした組織以外に、ご門徒さんを中心とした組織が複数あります。各寺院の総代さんを束ねる門徒総代会、壮年部を束ねる仏教壮年会、婦人部を束ねる仏教婦人連盟、主に坊守(ぼうもり:住職の配偶者)を束ねる寺族婦人会、子供会や青少年部を束ねる青少年研修部、門徒推進員を束ねる門徒推進員連絡協議会、門徒推進員を養成する連続研修会の6つが鳥取因幡組にはあります。

それぞれが独自予算をもち、独自の活動をするわけですが、鳥取因幡組の基本方針とすり合わせをするため、毎年この時期に寺院と教化団体との連絡協議会を持っています。お互いの予算の整合性、同時期の研修会の調整や統合、経費節減策の共有、独自活動の成果の共有など活発な議論が展開されます。中には執行部のリーダーシップを問うものなどシビアな意見も出ます。

執行部としては各団体の規模や力量を勘案しながら最大公約数で意見意見一致をさせるところが、手腕となります。決して上位下達ではありません。組織運営の基本はそこにあるような気がしています。2時間半しっかり議論が出来ました。その後、定例組会に向けての執行部会を開催し協議を行いました。なかなかハードな一日でした。

2017年4月13日木曜日

会計監査

鳥取因幡組の会計監査が行われました。監査役は僧侶1名、門徒1名で構成されています。僧侶1名が時間になってもお見えにならないので電話したところ、明日と勘違いしていたとのことでした。4月は様々な行事があり、明日も連絡協議会という会議があります。思い込むと間違えやすいので、書き物を見るなどして気を付けなければなりません。

今回の出納は手持ち現金なしで処理してありましたので、通帳との照合と証憑書類の確認だけで終わりました。規模が小さい場合は、手持ち現金なしでの処理の方が確実です。

鳥取因幡組は、組でインターネットバンキングをしていますので、金融機関に出向くことなく口座間の振り替えや受け入れ、入出金の確認が出来ますので大幅な時間節約になります。心配なのはネット犯罪からの防止ですが、金融機関の指導を守り必要な対策ソフトを導入していれば、万一不正送金されたとしても金融機関が保障してくれますので、実害はありません。ただ、パソコンが苦手な人にはお勧め出来ません。巧妙な詐欺に引っかかる可能性があるからです。偽サイトを見破るにはそれなりの経験とインターネットの仕組みを知っていることが必要となります。

これからは門徒数が減少し、寺院会計自体も規模が小さくなりますので運転資金という面では、不安定になります。賦課金を早期に集める手段として、早期完納還付金などの仕組みがありますが、この仕組みも機能しなくなってくると思われます。必然的に鳥取因幡組の会計規模も小さくなり、活動も縮小していくと思われます。地域で婦人会や老人会などが消滅していったように、いずれ寺院も中間組織不要論が出て来るのではないかと思います。そうなると組や教区の単位も変わり、機能も変わって来るでしょう。寺院の統廃合は全宗派に関わることですが、まだどの宗派も具体的な方針は出されていません。これからは、単立で成功している寺院の取り組みが参考になるような気がします。

2017年4月12日水曜日

北朝鮮をめぐる情勢

昨年の龍谷大学同窓会で龍谷大学教授・李相哲さんと少しお話しをしましたが、北朝鮮をめぐる情勢が混沌としている中で、李李相哲さんのテレビの露出度が高くなっています。最近も北朝鮮に対する様々な制裁処置にも体制がビクともしない理由について書かれていました。

北朝鮮の考え方は主権在民ではなく、住民が存在しているのはトップを守るためであるということです。言ってみれば神に近い存在と言えます。そこが韓国とは全く違うところです。ですから住民が餓死しても暴動は起りません。

今日のニュースで気になったのは、日本政府が米国に対し、北朝鮮への軍事行動に踏み切る際には事前協議をするよう要請し、米側も応じる意向を示しているというものでした。こういう報道がされると、まさか軍事行動はしないだろうという論調が危うく聞こえます。

北朝鮮は弾道ミサイルによる攻撃目標を日本の米軍基地と明確に述べていますので、万一軍事行動が起これば、日本が戦地となります。被害は想像出来ないものになる可能性もあります。
一番最初はそれほど大きくなかった金正男氏の殺害報道でしたが、ここにきて非常に大きな意味を持ってきました。北朝鮮もまさかアメリカがこれだけ反応するとは思っていなかったでしょう。杞憂に終わればいいのですが、北朝鮮情勢から目が離せなくなりました。
 

2017年4月11日火曜日

仏教の危機

個人的な見解ですが、歴史的に見た場合仏教の危機と言うのは何度かありました。一番最初は釈尊の死でしょう。釈尊はすべて口伝であったと言われますから、その教えは死と共に忘れ去られる運命にあったと思われます。口伝を結集しお経と言う形で残したことで生き残ることが出来ました。

その次は、大乗仏教の登場でしょう。理屈が通るならということで、上座部仏教とは別の形で作られたものです。しかも釈尊の教えより上位に位置付けていましたので、場合によっては釈尊の仏教が消えてしまいかねない状況でした。これものちの学問で明らかになり、仏教の系統がはっきりしました。その次は日本の明治維新でしょう。僧侶という身分が無くなり、行政機関としてのお寺の役割が終わったのです。与えられていた特権が無くなり、寺請け制度も廃止され、お寺や僧侶の役割が無くなるかと思われました。ところが政府が焦りすぎて、神道で国教を作ろうとしたため、反対勢力の力が強まり思い通りになりませんでした。本当でしたら寺請け制度の廃止と共に、檀家制度も崩壊するところでしたが、仏教を信ずるのも自由にしたため今日まで残っています。
今ある仏教の危機は深刻です。少子化による家族制度の崩壊は、そのまま檀家制度の崩壊につながりますし、葬儀が慣習化したため宗教色が無くなり、僧侶不在でも葬儀が成り立つようになりました。檀家と葬儀の二つが無くなれば、お寺不要論も出て来ると思います。お寺ももう一度原点に戻って考えるときが来たようです。
 

2017年4月10日月曜日

叔母の再々入院

寒暖差の多い日が続きます。今朝は叔母が救急車で市立病院へ向かったという電話で一気に慌ただしくなりました。朝の検温で38.5分の熱があったということから、かかりつけ医に行ったところ、肺炎の疑いがあるので救急車で市立病院に行きなさいという指示があったものです。

急いで駆けつけましたが、行ったときはまだ診察中でした。それからレントゲン、CT、血液検査、問診などの検査があり、結果を見て説明がありました。結果的には緊急入院となりました。感染症と肺炎の疑いがあり、高齢のため全体の機能が弱っているとのことでした。元気な時でも要介護4ですから、入院したら全看護となります。

病室に入るまでで救急搬送から5時間かかりました。病室に入ったときは、熱も少し下がり7度台に落ち着きました。それから入院の準備のため自宅にいったん帰り、タオル、バスタオル、着替えの下着、入浴セット、スプーン、湯飲みなどを持って再度病院へ行きました。坊守は朝から熱が出た孫の世話、私は母の食事、洗濯と叔母の付き添いなど多用な一日となりました。

病院では待ち時間が多くありましたが、スマホを持っていたので、今度の日曜日の出向法座の内容整理、連研の総括文作成、hasunohaへの二件の投稿などが出来ました。また、医師からの説明は聞き逃しが無いようしっかり録音し、あとでノートに書き留めました。スマホ様様でした。
 

2017年4月9日日曜日

春の鳥取砂丘一斉清掃



 
3年ぶりくらいに春の鳥取砂丘一斉清掃に鳥取ライオンズクラブとして参加しました。主催は鳥取砂丘美化運動協議会で、昭和55年から春と秋の年二回実施しています。清掃する範囲は広く千代川河口付近から東へ約7キロメートルの砂丘海岸のゴミを拾います。私も10回程度は参加していると思います。

今日はあいにくの霧雨模様でしたが、朝7時に鳥取市役所のホームページで確認すると、実施しますということでした。昔は花火を打ち上げたり、電話で問い合わせをしていたものですが、今はネットで確認します。また、昨年までは各団体の代表者を集めた会議があり、そこで清掃場所の区割りや駐車券、ゴム袋などの配布を受けていましたが、今年は代表者会議が無くなり、ゴミ袋や駐車券は市役所の協働推進課で受け取ることになりました。この活動が定着してきたことの現れです。また、参加団体との連絡手段もすべてメールが中心となりました。時代の変化を感じます。

長年清掃してきた成果で、砂丘一帯にはゴミがほとんど無くなりました。ただ、波打ち際には大量のゴミが打ち上げられています。多くはペットボトル、空き缶、空き瓶などの不燃物ですが、漁船に関連した浮やロープなどもあります。ペットボトルや空き缶にはハングル文字が書かれたものもあり、海の向こうは韓国であることを感じさせます。

 海岸縁を清掃した人はすぐにゴミ袋がいっぱいになってしまいます。大体1時間程度で清掃を終わりますが、集積所には多くのゴミがうずたかく積まれていました。集まられた多くの方に感謝致します。

2017年4月8日土曜日

映画「ハドソン川の奇跡」


 
見たかった映画をやっとブルーレイで見ることが出来ました。2009年1月に起こった事故を元にした映画ですが、事故まではドキュメンタリーと言ってもいいくらいの作品です。パイロットのサリーは、私とほぼ同年代です。58歳の時の事故ですから、今は多分66歳です。操縦士も副操縦士も特典映像の中で長いインタビューに答えています。

映画では事故調査委員会の追及で、ヒーローか犯罪者かの瀬戸際に立たされますが、実際は終始ヒーローだったようです。同じく特典映像で見た操縦士サリーの生い立ちですが、まさにヒコーキ野郎の人生です。セスナ方始まり、空軍パイロット、民間機パイロットと空に生きたと云っても過言ではない人生です。

高度3000フィートからの両エンジン停止は、マニュアルにもありません。あったのは高度20000フィートからの帰還です。なぜマニュアルに低空からの両エンジン停止の場合が載っていないかは明確です。対処のしようがないからです。そんな高度で良く帰還出来たものだと思いますが、この機長でなったら不可能だったでしょう。乗客乗員155名が全員帰還出来たのは、自分の力ではないクルーや管制官、乗客、救助隊、警察すべてのおかげだと言っていました。
こんな事実があったとは信じられませんが、両エンジンに鳥が吸い込まれ推進力がゼロになるという予測不可能なところからスタートしたこのドラマは、絶体絶命の人に生きる希望を与えてくれます。何度見ても素晴らしいこの映画を、もう一度150インチのスクリーンで見ることにします。

2017年4月7日金曜日

耐震構造補強の罠


 

月刊住職4月号によると本願寺派の寺院が庫裡の耐震補強工事でトンデモない業者に引っかかってしまった例が載っていました。関西地方のお寺でしたが、業者は京都から選ばれたようです。設計業者も慎重に選び、業者も熟考のうえ選んだということですが、下請け構造が良くなかったようです。経費を安くあげる目的で下請けを選んだとしか言えない状態でした。夜10時まで食事もとらず休憩もなしで一人で工事を進める姿は異常です。

普通は、工事の進行具合は気になりますので、素人なりにチェックはしますが、外から見えにくいところで手抜きをされると分かりません。このようなことは、都会だからのことなのでしょうか?

当山では、過去に建築した客殿、納骨堂、門徒会館とも地元の中小業者を利用しました。小さな町ですので、もし手抜き工事などすればたちまち噂が広まりやっていけなくなります。そういう意味では、信頼して頼める所ばかりとも言えます。
また、当山には総代さんに建築の専門家がおられますので業者も気を遣っていただいたようです。人口が少ない地方ですが、それだけに人間関係がどこかでつながっていて、信頼できる間柄になるというのもいいところだと思います。人口が少ないことがメリットになることもあるのですよ。

2017年4月6日木曜日

加川良の死


 

加川良の歌を初めて聞いたのは大学2年の時でした。1年間いた寮を出て、友人と二人で一軒家の下宿に住んでいました。時は学生運動が華やかな時で、反戦歌がブームでした。岡林信康、高石ともや、高田渡の歌を聞いていました。吉田拓郎の歌も魅力的でしたが、加川良の歌には心が惹かれるものがありました。

その当時は伝道という歌が好きでした。そしてヒット曲教訓1です。吉田拓郎がカバーしているものがyutubeで見えます。伝道は松山千春やなぎら健壱のカバーも見えます。フォークが始まって間がないころですが、URCレコードの美術製作会社のようなところに就職したんですね。実際は誰かの運転手だったようです。
1970年頃に行なわれた中津川フォークジャンボリーに飛び入りで出演して、人気を博したのが始まりです。今年還暦のコンサートを各地でやる予定だったのに残念です。吉田拓郎の「加川良の手紙」という曲は加川良が田中さんと言う彼女に書いた手紙がそのまま歌詞になっているようです。すごい字余りの曲ですが、昔よく聞いたのものでした。教訓は島根の浜田真理子さんのカバーでも有名です。もう一度ききたかったなあ。


2017年4月5日水曜日

写経が人気です

毎週水曜日2時~4時に行なっている写経が人気です。現在の登録人数が26人です。平均すると13名ほどの参加ですが、多くなると今の2部屋14畳では足りないので、3部屋24畳を使います。ただし、これ以上になると二階の研修室か本堂を使うしかなくなります。

今日も新しい人が来られました。字がうまくなりたいというのが参加する理由のようです。写経はどちらかと言うと書道や習字とは違いますので、うまくなるのが目的ではありません。心を落ち着けて文字を写すことに一心不乱になることが目的です。

字が下手とか字のバランスが悪いというのは、文字を書く手の問題ではなく、自分が脳にイメージしてる文字が正確でないためだそうです。手本なしで文字を書くと脳にしまってある文字を手本として書くのだそうです。その文字がバランスの悪い文字だと、書く文字もバランスが悪くなるということらしいです。ですからきれいな文字を書くには、脳にしまってある文字を正しく修正することが必要です。ただしい文字をなぞることで、文字のイメージを変える効果もあるようですので、時間をかければ美しい文字が書けるようになる可能性もあります。

新しく来られる方のほとんどが、門前の掲示板を見て来られるようです。掲示板は予想外に見る方が多いようです。空けておくのはもったいないですね。

2017年4月4日火曜日

ガン治療あれこれ

ネットを開くと健康に関する情報があふれています。最近は、自然治癒力を利用して病気が治ったという体験談を入れて、読ませてから本やDVDを買わせるタイプのものが多く見られるようになりました。

今日目に止まったものに食事療法でガンを克服したというものでした。そして、抗がん剤治療の弊害がこれでもかというほど、たくさん書かれています。抗がん剤は健康な細胞もやっつけるということは誰でも知っています。副作用のない薬はないわけですから、それが副作用です。その出方も人によって違います。

現場の臨床医の方は、食事療法だけで治癒することはほとんどないと言っておられます。ただどの治療法も宝クジに当たるくらいの確率で有効な場合があるので全てを否定することは出来ないようです。それをエビデンスとして誇大広告する場合もあるので、注意が必要です。

見分けるコツは、お金儲けのための広告かどうかということを見定めるという事です。追い込まれた状態でそういうものを読むと引っかかってしまうので、批判的な記事も読みながら冷静に判断する事です。

現場でのベストな選択としては、それぞれの治療のいいとこ取りをして、自分に合う方法を見つけるということのようです。
 


2017年4月3日月曜日

初出勤の日

ケアハウスに入居している叔母の収支報告を施設に出しました。叔母は国家公務員だったので、共済年金をもらっています。利用しているケアハウスは、収入によって賃料が変わるので毎年年間所得を申告します。経費として収入から控除してもらえるのは、住民税、介護保険料、健康保険料、医療費、介護保険サービス料などがありますので、集計作業が大変です。

特に年度で通知の来る住民税、介護保険料、健康保険料については、1月~12月の年間に変更しなければならないので、前年度の1月~3月と今年度分の4月~12月を合計を出さなければなりません。年と年度の違いが作業を煩雑にしています。何とか一本化出来ないものですかね。

これは年末調整や確定申告にも言えることです。前年度分を捨てたりすると困ったことが起きますので、かならず2年度分は残して置くようにしています。

世間では今日が入社式だったところが多かったようです。私が就職した1972年も4月1日が土曜日でしたから、4月3日に初出勤しました。それがどんな景色だったかは、忘れてしまいましたが、富士山麓の御殿場で行われた10日間にわたる新人研のことは今でもよく覚えています。その頃の仲間が、今日の電話で5月下旬に訪ねて来ることになりました。積もる話しが出来そうで、今から楽しみです。


2017年4月2日日曜日

こどもむけこわい絵本



ツイッターで「たべてあげる」という絵本が話題になっています。なぜ話題になっているかというと、こともが怖がる内容になっているからということです。嫌いな食べ物を、代わりに食べてくれる小さな自分が現れてピーマンやニンジンなどを食べてくれます。お母さんには残さず食べてくれてありがとうとほめてもらえますが……。

作者はこどもには怖いものがなければいけないと言います。怖いものがあるから、自分の欲望に負けそうなときでも、その怖さが抑止力になると言います。わたしも子供の時、母親からいろんな怖い話しを聞きました。特に怖かったのは「人さらいが来る」という話しでした。悪い子はいないか、親の言うことを聞かない子供はいないか、とさらっていく子供を探しているというものでした。親としては子どもに言うことを聞かせるときに、効果抜群の話しだったようです。私にとっては、その話しは無条件降伏するくらい怖い話しでした。

この絵本は、食べ物の好き嫌いをなくすことを目指しています。きっと効果のある子もいることでしょう。日本の昔話しでも、西洋の童話でも、怖い話しはたくさんあります。その中で道徳的なことや努力すれば報われることを教えているのでしょう。仏教の地獄絵図もそういう所があります。悪いことをすれば地獄に落ちるという単純明快な教えは現代でも通用する教えだと思います。
 

2017年4月1日土曜日

人生の第四コーナー

新年度が始まりました。と同時に決算作業に入ります。5月末の護持会総会に向けて、1年間の総括と決算、計画と予算を作らなければなりません。今までは毎年のように大きな事業がありましたが、今年度は大きな事業の予定はありません。振り返ってみますと専従住職になってからの9年間で、境内のバリアフリー舗装工事、参道と向拝(ごはい)の敷石工事、本堂の断熱工事、駐車場土地の購入、納骨施設安穏堂の建設、墓地の整理・整備事業、、門徒会館建設事業、駐車場舗装・整備事業を行いました。

教化面では、寺だより慶雲の隔月発行、念仏奉仕団参拝、お盆読本配布、お寺カレンダー配布、写経の毎週開催、寺子屋コンサート・寺子屋人形劇場の毎年開催など今まで行ってこなかった取り組みを始めました。この中でお寺は、皆さんの苦しみ、悩みに寄り添うことが大切であることを学びました。

住職を続けるのも、あと3年ですのでこの3年間で総仕上げをしたいと考えています。具体的にはまだ決まっていませんが、とりあえず20年後も存続して行けるような布石を打ちたいと思います。いろいろなアンケートからわかるように、お寺の存在価値は相談できるお寺かどうかということがポイントになると思います。ただし、人々の関心は先祖供養です。そこの折り合いを見つけながら運営していくことが必要になって来るのでしょうか。